当初の計画では2018年に打ち上げられる予定だったジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)は、2021年12月25日に南米のギアナ宇宙センターからの打ち上げが無事成功した。
11月23日の記事「ハッブル宇宙望遠鏡の後継機と言われているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げが延期」にも記載したが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測波長は主に可視光と紫外線であるが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外域の観測に最適化されている。
宇宙の最深部からの微かな熱信号をとらえるため、赤外線検出器を−230℃という相当な低温にする必要がある。太陽の熱を遮断するために、地球から約150万キロ離れた場所で観測を行う。この場所は、月の38万kmよりも約4倍も遠い場所であり、太陽と真反対のラグランジュ点(L2)で、地球と太陽の引力がバランスした場所だ。
この望遠鏡には、熱信号を集めるため、金メッキされた直径6.5m(18枚からなる分割鏡)の鏡が使われており、テニスコートよりも大きな熱シールドで囲われている。
これにより、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、先代のハッブル宇宙望遠鏡と比べて100倍もの観測能力を持つという。
●James Webb Space Telescope – NASA > Where is Webb?
にて現在どこにいるのかというのがわかるようになっている。
【参考】
・ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、きょう打ち上げ 開発に1兆円超(CNN.co.jp)
・James Webb Space Telescope lifts off on historic mission(BBC News)
・NASAの次世代宇宙望遠鏡、「宇宙の夜明け」の観測に期待(AFPBB News)
・ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、打上げ成功。太陽電池パネルも展開(Engadget 日本版)
・ついに打ち上げ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。宇宙の新たな姿が見られるまで6カ月見守ろう(Yahoo!ニュース)
・超!宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブ打ち上げ(マイナビニュース)
順調に進めば、ファーストライト(初観測)は打ち上げから6カ月、2022年の夏になる。その日を心待ちにしている。