学術

ハッブル宇宙望遠鏡の後継機と言われているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げが延期

12月18日に打ち上げが予定されていたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ予定日が延長され、早くて12月22日の打ち上げになった。

「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ「早くて12月22日」に変更。ロケットへの固定でトラブル」

NASAが、長らく延期を繰り返してきジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)をいよいよ、2021年12月18日に打ち上げ…るはずでしたがまたもや延期、早くても22日のリフトオフに変更しました。

遅延が発生した理由は、アリアン5ロケットへJWSTを固定するクランプバンドのひとつが突然、予定外に開放してしまったため、機体全体に大きな振動が発生してしまったため。JWSTは機体が非常に大きく、少しの歪みが正確な観測に問題を起こす可能性があり、NASAは現在、追加の異常が発生していないか各所の点検作業を実施しています。この点検作業は週末までに完了し報告される予定です。

Engadget 日本版 2021.11.23

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げは、新新型コロナウイルス感染症の流行や技術的な問題などにより何度も延長されている。

そして今回、機体全体に発生した大きな振動が、超精密機械の望遠鏡に影響を与えていないかどうかを確実に判断するための調査と追加試験を行うために、打ち上げ予定日が先送りになった。望遠鏡の目となる主鏡などの違いは以下の通りだ。

●ハッブル宇宙望遠鏡
主鏡:直径2.4m(1枚鏡)
観測波長:主に可視光と紫外線
設置場所:高度約570kmの地球周回軌道

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
主鏡:直径6.5m(18枚からなる分割鏡)
観測対象:赤外域の観測に最適化
設置場所:地球から150万kmほど離れた太陽-地球系の「ラグランジュ点2(L2)」

ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月の打ち上げ直後の調整で、天体の光を集める鏡の端が設計より0.002mm平たく歪んでいることが発覚。1993年12月のサービスミッションにより鮮明な画像が得られるようになった。(合計5度のサービスミッションを行なっている)

ハッブル宇宙望遠鏡は地球周回軌道にあるため、大変ではあるが修理が可能であったが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は打ち上げたら最後、月より遠い位置に設置されるので、修理は不可能なのである。よって、慎重な打ち上げを望んでいる。

無事に打ち上がって、美しいファーストライトが見れることを期待している。