連日、大谷翔平選手の活躍に心躍らせている。特に6月以降は絶好調で、月間MVP獲得、オールスター選出もされた。
大谷選手のように投手として、また、打者として活躍するような選手を日本では二刀流と言ったりするが、米国では2 way player(ツーウェイプレーヤー)といった表現をする。約100年前、2 way playerとして活躍したベーブ・ルースという伝説の選手がいた(現役時代の後半は主に野手に専念)。その選手と今の大谷選手が比較されている。夢のようだ。
野球の他にも、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーでも、2 way playerという選手はいる(いた)ようだ。
攻撃と守備が明確に分かれて両方のスキルが全く異なるような野球やアメリカンフットボールなどにおいては専業化、分業化が昔より進んでいて、そのような状況の中、2 way(攻撃、守備)の両方のどちらも一流のプロフェッショナルのプレーヤーとして活躍するのには非常に困難になっているのかもしれない。それを大谷選手は実現しているのだ。
どちらのスキルの一流になる、という難しさもあるが、やはりプレー機会が多くなることにより、怪我をする可能性が高くなる。お金を稼ぐプロのプレーヤーとしてもっとも合理的な判断として、1 wayに専念する方が合理的な考え方かもしれないが、お金だけではなく、プレーヤーとしての可能性や夢に挑戦しているのが大谷選手なのだと思う。
2 way playerに似た言葉で、multi athleteがある。これは異なるスポーツ、例えば野球とアメリカンフットボールの異なるスポーツで活躍する選手を表す。
かつて野球とアメリカンフットボールの2足の草鞋を履くスーパースター、ボー・ジャクソン(Bo Jackson)やディオン・サンダース(Deion Sanders)が活躍していた。しかし、2000年代以降、そのような選手に匹敵するようなプレーヤーは自分は見ていない。やはり異なるスキルで一流として活躍するのは難しくなりつつあるのかもしれない。
ボー・ジャクソンはアメリカンフットボールで大怪我を負ってしまい、懸命のリハビリを経て、野球でカムバックするものの以前のような活躍はできず、引退となってしまった。大谷選手にはずっと健康を維持して活躍を続けてほしいと心から願っている。