葛飾北斎の代表作の版画である、「神奈川沖浪裏」が276万ドル(約3.6億)で落札されたというニュース。
【NHKニュース】
葛飾北斎 代表作の版画 3億6000万円余で落札 米オークション
【CNN】
Rare print of Hokusai’s ‘Great Wave’ sets new auction record
こんな高額な作品には手が出ないけど、無料で楽しめるアートもある。
クリスティーズのオークション
世界の2大オークションハウスの1つ、クリスティーズのサイトで入札結果が見れる。(ちなみに、もう1つの雄はサザビーズ)
【クリスティーズのオークションサイト】
KATSUSHIKA HOKUSAI (1760-1849)
Kanagawa oki nami ura (Under the well of the Great Wave off Kanagawa) [“Great Wave”]
版画なので、いわば量産品。
この時代の版画は、現代のインターネットや雑誌のような情報ツールだったので、量産された。そのうちのいくつかを本物としてみることができる。
その中には保存状態が良かったり、摺りや色味が違ったり、初版だったり。
今回のオークションはとても条件が良いものだったようです。
同じ「神奈川沖浪裏」でもそれぞれ違う。
量産品であるがゆえに微妙に違う、心くすぐるかすかな個性がそれぞれの「神奈川沖浪裏」にある。
それぞれの違いについて解説しているページがあります。
【和樂web(小学館)】
高画質で葛飾北斎の作品が見れる フーリア美術館
美術作品のデジタル化が進んでいる。
なかでも米国のスミソニアン協会が運営しているフーリア美術館で葛飾北斎の作品が、家にいながら高画質でみることができる。
【参考図書】
北斎の肉筆 HOKUSAI’s Brush—スミソニアン協会フリーア美術館コレクション
スミソニアン協会フリーア美術館
米ワシントンD.C.にある世界に知られるスミソニアン協会が運営する美術館。実業家のフリーア氏のアジア関連のコレクションが収蔵されている。
なかでも日本美術に心酔し情熱を注いだ眉目のコレクションが葛飾北斎の200余点の肉筆群は世界最大の質・量を誇る。
寄贈条件の「作品を館外に持ち出してはならない」という掟は設立から100年の今日まで一度も破られることはなく“幻のコレクション”と呼ばれている。
以前、この本を図書館で借りて、じっくり眺めているうちに、いつか本物を見てみたい!
そう感じでいろいろ調べてみると・・。
なんと、実はすでに高画質でデジタル化していて、それを簡単に見れるではないか!
その中でお気に入りを3点ご紹介。
この3作品は、キヤノンの「綴(つづり)プロジェクト」のサイトでも見ることができます。
美術とデジタルの関係
美術作品とデジタルの親和性は高い。
最近話題のNFT。これを早くも利用する美術館が現れている。
1800年代に描かれた葛飾北斎の絵はすでに著作権保護期間切れでもあり、誰でもフリー素材として使える。これをビジネスにするのは、国籍関係なく知恵を使った者が勝ちということだろう。逆に言えば、同様の工夫は日本の美術館でも出来るのかもしれない。
価格は500ドル(約5万円)。
結構高い。ナンバリングして希少性を出しているのかな。