2021年12月4日、南極大陸で皆既日食が観測された。太陽は日本時間午後4時(グリニッジ標準時(GMT)午前7時)に欠け始め、4時46分(同7時46分)に皆既食となった。NASAがライブ配信をした動画がYouTubeで見れる。
【NASA】Live Feed of the Dec. 4, 2021 Total Solar Eclipse
今回の日食がどの範囲でどのように見えたのかについてもNASAのページに詳しい情報が掲載されています。
【NASA】Total Solar Eclipse of 2021 Dec 04
日本では最近だと部分日食であれば、2019年1月6日に観測されている。部分日食は時々見ることができるが、金環日食、皆既日食を日本で見ることができる機会は少ない。
金環日食については、2012年5月21日に奄美諸島・九州南部・四国・本州太平洋沿岸において観測されている。皆既日食については、2009年7月22日にトカラ列島・奄美諸島の一部・硫黄島で観測されている。
金環日食については幸運にも自分も見ることができたが、皆既日食は見ることができなかった。
たまに見ることができる部分日食は、太陽が月に一部分だけ隠されてしまう状態になる。金環日食は太陽の方が大きいために、月が太陽を隠しきれず、周りからはみ出してリング状に見える状態になる。そして、皆既日食は太陽が月に全部隠されてしまう状態になる。
皆既日食は他の日食とは比べ物にならないほど美しものがいくつか見れる。それはコロナ、プロミネンス、ダイヤモンドリングの3つだ。
●コロナ
電磁波で直接観測が可能な恒星の大気のうち、コロナは100万度を越える高温の外層大気である。太陽の場合、皆既日食時に明るい光球や彩層が月に隠されることで淡いコロナの様子を肉眼で見ることができる。●プロミネンス
太陽コロナ中に存在する5000-10000 Kのプラズマ。皆既日食時には、水素のHα線を強く放射して赤く見えるため紅炎とも呼ばれる。太陽面上で観測されると、暗い筋状の構造として見えるためダークフィラメントと呼ばれる。●ダイヤモンドリング
天文学辞典
皆既日食の皆既日食の開始直前と終了直後に見られる現象。太陽を隠している月の表面には凹凸があるため、皆既日食の開始直前と終了直後には月の深い凹部からのみ太陽の光球が見える。明るい光球が現れるとこの1点を中心として点状に輝き、その外側にある淡いコロナは見えなくなるが、他の部分は内部コロナがリング状に見えているため、全体として美しいダイヤモンドの指輪のように見えるのでこの名がある。
皆既日食にのみ、上記の現象が見ることができる。やはり一生のうちに一度は皆既日食を見てみたい。
国立天文台のページには「日食一覧(2010年から2035年)」が掲載されている。
日本で見れるものとしては、
・金環日食 2030年6月1日 (中心食)日本、ユーラシア大陸北部など
・皆既日食 2035年9月2日 (中心食)日本、中国など
となっており、見ることができれば幸運である。
海外で観測できる皆既日食は、ウィキペディア(英語版)に詳細が記載されている。
・皆既日食 2026年08月12日 (中心食)北極付近、ヨーロッパ西部など
・皆既日食 2027年08月02日 (中心食)アフリカ北部、インド洋など
・皆既日食 2028年07月22日 (中心食)インド洋、オーストラリア、ニュージーランドなど
皆既日食に合わせた旅行を計画するかもしれない。