スポーツ

大谷翔平選手がアメリカンリーグのMVPを満票で獲得。ナショナルリーグのMVPはブライス・ハーパー選手が獲得。

大谷翔平選手がアメリカンリーグのMVPを満票で獲得。ナショナルリーグのMVPはブライス・ハーパー選手が獲得。大谷翔平は前々からの予想通り順当な獲得だった。

今シーズンの大谷はこれまでのシーズンと異なり、出場制限を取り払ったということが大きいのだと思う。昨シーズンまでは日本のプロ野球でのやり方を踏襲して、登板前日は投手調整日に当てられ、翌日は休養日となっていたが、今季はそういった制限を撤廃し、登板前日も翌日も状態が良ければ出場可能ということになった。その結果、打席数が増えて、ホームラン数も増えた。大きな怪我もなく健康がシーズンを通して保たれたので、タイトルを獲得するような選手と同じような打席数となった。

●大谷翔平の打席数
2018年 367(出場試合数は114)
2019年 425(出場試合数は106)
2020年 175(出場試合数は44)
2021年 639(出場試合数は155)

ちなみに、アメリカンリーグMVPの最終候補のウラジーミル・ゲレロ内野手は打席数は698(出場試合数は161)、マーカス・セミエン内野手は打席数は724(出場試合数は162)。
メジャーリーグの試合数は162試合だからほぼ休みなく毎試合フル出場に近い形になっており、今シーズンの大谷はだいぶそれに近い形で毎試合出場できたことが本当に大きい。

また、指揮官が2020年シーズンからジョー・マドン監督になったことも大きいのではないか。マドン監督は非常にコミュニケーション能力にたけた人格者と言われており、綿密なコミュニケーションにより今シーズンの制限を撤廃を決めたのだ。

最近、高校時代の大谷が回想としてテレビで映ったりするのを見るが、画面から感じるのは高校生とは思えない落ち着きと野球への探究心といったものはこれまでの選手とは別次元のように感じる。また、頭の良さや身体的なポテンシャルが相まって唯一無二の選手になったのだと思う。

大谷の二刀流をみて、現在のメジャーリーガーの何人かが挑戦するというが、大谷選手のように活躍できる可能性は限りなく低いのではないか。それほど大谷翔平選手は異次元なのだ。

ナショナルリーグとの交流戦の場合はDH制がないため、代打出場などベンチスタートになっていたため、フル出場の場合より打席数はやや少なくなっていた。その理由は、大谷は外野手として本格的な練習を行っておらず、マドン監督は外野出場時の“全力送球”を禁止していて、マドン監督が外野手での先発起用には消極的だったためだ。しかし、来シーズンはマドン監督は外野手起用を増やすことを示唆しており、本格三刀流への挑戦が高まっている。

また、ナショナルリーグも来シーズンはDH制を採用してユニバーサルDHになる可能性もあり、そうなると、基本的に投手は打力がないため、ほとんど打席に立つことが無くなる。そのため、投手として投げつつさらに数多くの打席に立つことになる大谷選手が、より一層際立つ存在になる可能性がある。

来シーズンも同じような活躍をすれば、毎年のようにMVP候補になるだろう。そう、健康を保ちさえすればそれは十分可能だろう。